韓国プロ野球の名門サムスンは4月3日、
昨年10月に発覚した違法海外賭博疑惑で関与を取り沙汰された尹盛桓、安志晩両投手を1軍に復帰させた。
これで関与したとされる4選手全員が2016年シーズンをプロ野球選手としてグラウンドに立つことになった。
これには韓国メディアも批判。中央日報はサンムンの2選手が行った謝罪会見が「1分もたたずに終わった」とし、何を謝ったのかと揶揄。
スポーツ京郷も「物足りなさが残った」などと釈然としないモヤモヤ感を報じた。
韓国ネットユーザーも「どんな容疑でも立証されなければ試合に出ていいということか」などのコメントを寄せ、反発していた。
中央日報によると、選手たちは14年12月にマカオのホテル内に用意された私設賭博場で多額な現金を賭けてバカラをした疑いが持たれた。
発覚当時、選手らは社会の批判にさらされ、一時は引退もやむなしという空気が漂った。
ところが、元阪神の呉昇桓は米大リーグ、カージナルスへ移籍し、
サムスンを放逐された林昌勇は3月28日にKIAへ電撃入団が発表された。そして、今回のサムスン2選手の復帰だ。
スポーツ京郷などによると、サムスンは雨で試合が中止になった3日、尹盛桓、安志晩両投手が正式に謝罪する場をつくった。
2人は取材陣の前で頭を下げた後、尹が代表して「心配をおかけして申し訳ありません。野球だけに専念してファンの皆さんに良い姿だけをお見せします」と改悛の情を示したという。
ただし、質問は受けつけず、謝罪会見は2分(中央日報は1分)に満たずに終わったと伝える。
韓国プロ野球は4月1日に開幕している。ペナントレースを制するには、必要な戦力なのかもしれない。
事実、サムスンの監督は「安を仕上げに使う」と明言。尹を先発登板日に合わせて1軍登録。
この2人に関して警察の捜査が依然として続いており、プロ野球ファンの心証としては完全に収まったとはいえないだろう。
それだけに、スポーツ京郷はサムスンの対応が「あまりにも形式的な手続きにとどまった」とし、
2選手の謝罪が「ギャンブルかどうかを離れ、物議を醸したことに対する言及もなかった」と懐疑的だった。
中央日報は2選手が「何を謝ったのだろうか」と指摘。「賭博の事実を認めたのか。そうでなければ物議を醸したことに対する遺憾を伝えたのだろうか」と球団の姿勢を糾弾した。
さらに、選手たちは社会的物議を醸したことに対し、事件が半年が過ぎても口を閉ざし、球団も林を放出しただけで再発防止策の策定もしていないと強調する。
問題が発覚したときに「違法賭博をしたら一生野球ができないようにすべきだ」と厳しい書き込みをしていた韓国のネットユーザーも今回の事態に呆れるばかり。
「寛大な球界に、こんな選手を率いている球団、情けない」とか「これぞ大企業の本領発揮」など、球団や球界を批判するコメントを寄せていた。
スポーツ京郷は球団の危機管理対応も問題視。警察の捜査が継続されて状況が終わったわけではなく、
いかに野球ファンの信頼を取り戻すかに努力しなければならないはずだと説く。
韓国でも一流企業の傘下の球団で発生した不祥事がうやむやのうちに終息に至るのではないかという懸念は強い。
産経新聞 4月10日(日)12時0分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160410-00000513-san-spo
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